処方された薬(イメージ)

EDの特徴とバイアグラを使った治療法

EDとは、「勃起機能の低下」を意味する英語の頭文字「Erectile Dysfunction」の略で勃起不全のことです。専門的な定義は

満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること

ととされています。ここでは、EDのメカニズムやED治療法に関して紹介します。

勃起のメカニズム

勃起不全によって満足な性交がおこなえない状態をEDといいます。EDではない男性であれば、刺激を受けると、性的刺激が脳から陰茎に伝わります。すると、陰茎海綿体の動脈に血液が流入し勃起が起こります。しかし、神経や血管に何らかの問題があって、陰茎海綿体に十分な血液が送りこまれないと、満足のいく勃起が得られません。すなわちこの状態がEDです。

EDの原因

EDの原因には大きく3つに分けられます。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

心因性ED

体の機能そのものに問題はなく、精神的・心理的な要因から起こるEDを心因性EDとよびます。統合失調症やうつ病などの精神疾患だけでなく、夫婦関係や会社などの問題、または、幼少期のトラウマなど原因は人それぞれです。

器質性ED

器質性EDと呼ばれるものは「血管障害」「神経障害」「内分泌機能低下」に分けられます。血管障害によるEDは、加齢や高血圧・糖尿病・高脂質症などの生活習慣病が原因で動脈硬化が進むことによって起きてしまうものです。神経障害によるEDの代表的なものは、てんかん、糖尿病、脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症などです。また、EDの因子として内分泌機能の低下も挙げられます。代表的なものはストレスや加齢、喫煙、飲酒などが要因で起こる男性ホルモン(テストステロン)の低下です。テストステロンが低下すると勃起力が弱まりEDになりやすくなります。

薬剤性ED

薬の副作用が原因で起きてしまうEDのことです。抗うつ薬・向精神薬・睡眠薬を服用している人や、高血圧傾向にあり、降圧剤を服用する人などに薬剤性EDが多くみられます。

EDの治療方法

現代のED治療はバイアグラ*をはじめとするED治療薬の服用が基本となります。ED治療薬の効能は、陰茎の血管を拡張し、血液の循環を良くする作用があります。特定の疾患がない場合には、多くのケースで改善が見られます。また、うつ病や生活習慣病がある場合には、それ以上EDを進行させないためにそれぞれの原因に応じた対策を取ることも重要です。糖尿病や高血圧などの生活習慣病による器質性EDの場合は、生活習慣の見直しや治療薬で血圧や血糖値を正常に保ち続けることも大切です。心因性EDであれば、バイアグラやシアリスなどのED治療薬に頼るだけでなく、カウンセリングも有効な治療方法です。